アクセラで行く、鳥海山ドライブ 2日目

2日目。

今日の予定はとりあえず鳥海山が見られれば完璧だと思っており、それ以外は特に無計画。
まぁ、明日帰らなければならないので、目的を達成したら潔く南下をするつもりだ。

朝の酒田駅

のんびりと宿をチェックアウトし、遊佐町方面へと北上する。

遊佐のコンビニで朝食を調達し、鳥海山がよく見える農道で車を停め、エンジンを切った。

素晴らしいじゃないか・・・

近くでは田に供給する水の流れる音が響き、遠くではトラクターのエンジン音が聞こえる。
そして目の前には、凛として美しい冠雪の鳥海山が。

水鏡、とまではいかないまでも、水を張った田に鳥海山が反射し、この季節ならではの風景をつくり出している。

そう、きっとこんな風景を求めて走ってきたのだろう…。

その場でサンドイッチを頬張った。
自分だけの特等席で食べる、最高の朝食ってやつだ。

まさに最高のひとときを過ごし、この旅の目的を達成した気分に浸っていた。

その後も周辺の農道を散策し、いろんな場所から鳥海山を眺めていた。

鳥海山には鳥海ブルーラインという道で標高1,100mまで車で上ることが出来る。
もちろん冬期は通行止めなのだが、今年は4月28日に開通したとのこと。
せっかくなので、上っておくことにした。

山形側から上ると実質最初の展望台が太平展望台だ。
まぁ、GWなのでクリアラップは取れず、チンタラ走りが続いたのだが、やむを得ない。

太平展望台
太平展望台より遊佐方面を望む

こうして鳥海山の上から見ると、日本海から一気に標高2,236mまで立ち上がっている山であることがよくわかる。

それにしても、水田の庄内平野をこの高さから見ると、”メガソーラーのようだ”という最悪の比喩が頭に浮かんでしまった…。

その後は最頂部にあたる鉾立山荘にも一応立ち寄りはしたものの、道路は路駐する登山客の車で狭い&見通し悪くて危ないわ、駐車場は混雑しているわ、バイクは立ちごけしているわでなかなかのカオスの様相を呈していたため、早々に退散。

連休の鳥海山は、上るよりも外から眺める方がよっぽど美しいという自分なりの結論に達したところで、下山した。

幸いなことに、下りはクリアラップを取ることが出来た。

あまりの混雑っぷりにその後の計画を立てずに降りてきたため、たまたま見つけた奈曽の白滝の駐車場に車を停めた。

で、そのついでに奈曽の白滝とやらを見学することにした。

滝あるところに神社ありだが、ここも例にもれず金峯神社という神社の敷地内?に滝があるようだ。

ここは観光客も少なく静かで、とても気持ち良い場所だった。

しかしそれ故、どこに行ったら滝が見られるのかわからず、少しばかり迷ってしまった。

神社の本殿から少し下ったところに展望所があり、そこから奈曽の白滝を望むことが出来た。

高さは26mほどで、水量も多くなかなかにダイナミックな滝。

滝壺の方にも近づけたり、他にも見られるスポットがあるそうなのだが、よくアクセスがわからなかったのと、”下ると上ってくるのが大変そう”という怠け者精神でここから眺めるだけにとどめることにした。

それにしてもなかなか心地よいハイキングコースで、無計画に停まった場所にも関わらず、思いがけない収穫だった。

その後は仁賀保高原を目指すことに。

r312(通称:鳥海グリーンライン)を通って、まずは仁賀保高原南展望台へ。

風力発電に沿って綺麗に舗装された一本道をしばらく走っていくと、視界が開けて目の前に鳥海山が現れる。
秋田県側からの風景だ。

ここもアマチュア無線をやっている車が1台だけで、とても静かで落ち着ける場所だった。
確かに展望台と言ってもトイレすら無い場所なのだが、ダイナミックな鳥海山の風景が広がっているだけで大満足である。
恐らく、この風力発電のメンテナンス用の道路を一般に開放してくれているのだろう。有り難い限りだ。

仁賀保高原南展望台を後にし、続いては仁賀保高原展望台 ひばり荘へ向かった。

ここからは長谷地溜池越しに鳥海山が見ることが出来る。
「溜池」というからには人工の池なのだろうが、高原の中にあり人工物も少なく、遠くから見る限りではまるで自然の池のよう。

鳥海山は出羽富士とも呼ばれているそうなので、それならばこの風景は本栖湖から望む富士山、といったところだろうか。
それにしても、全国に「〇〇富士」と呼ぶ山がたくさんあるが、まるで富士山が頂点(まぁ高さは間違いなく日本一だが)かのような表現で、あまり好きではないな…。美しさだけなら、それぞれの山に全く異なったそれぞれの美しさがあるわけで。

そんな個人的な話はさておき、その後は近くの土田牧場に向かってソフトクリームでも食べようかと考えていた。
…のだが、ここは打って変わって大混雑(汗)
駐車場に待ち列が生じ、ソフトクリームにも大行列。おまけにビアンテが道路脇の溝に落っこちていてカオスPart2。

そんなわけで0.1秒でスルーの判断を下し、r32まで出て南下することにした。

そうはいっても、なんとなくソフトクリームは食べたい気分だったので、r32沿いにある花立牧場に立ち寄った。

ここは駐車場も止めることができ、そこまで並ばずにジャージーミルクソフトをゲット。
心地よい気温の中で食べるソフトクリームは最高のそれである。
我ながら、完璧なリカバリーである。

その後は帰路に就くために南下する以外の計画はなかったため、道の駅 清水の里・鳥海郷を目的地として走った。

道の駅 清水の里・鳥海郷

案の定お昼時はすっかり過ぎてしまったが、ツーリングでは「そこそこ空腹になって、食べられる機会が訪れたら食べる」というスタイルなので、ここで昼食を食べることにした。

小さな食堂だが、とても香りの良い蕎麦で、満足の食事となった。

さて、あとは山形市街に向けて淡々と走る。

R13からは途中r35にそれて奥羽本線と並走しながら南下し、新庄で日没を迎えた。

今日はまさに連休の中の連休ということもあり、宿はどこも空いていない。
せめて日帰り温泉にでも入ろうと思い、百目鬼温泉というなんだか恐ろしそうな名前の温泉を目指した。
…が、20時ころ着いたものの、なんと駐車場が満車(汗)
もともとキャパシティが小さいのもあるが、連休効果恐るべし…。

待っているのは時間の無駄なので、潔く別を探すことに。

ここからさらに30分ほど南下したところに「赤湯温泉」という温泉地がある。
そこの公衆浴場は22時まで営業しており、21時前には着けそうだったので目指すことにした。

公衆浴場と言っても2022年6月にオープンしたようで、笑っちゃうほど綺麗。
もともと複数あった公衆浴場を集約し、この施設が誕生したようだ。古く歴史のある公衆浴場はそれはそれで良いのだが、ここは地元の若い人たちで賑わっているところを見るとこれも一つの正解なのだろう。
公衆浴場ということもあり、入浴料はわずか300円。シャンプーとボディーソープも付いてきて、露天風呂だってある。
22時の閉店までたっぷり堪能した。

夕飯(夜食?)はR13沿いのすき家で済ませ、いざナイトセッション。

米沢から会津若松に向かうか福島に向かうか少し悩んだが、帰りのことを考えて福島方面を目指すことにした。

東北中央自動車道の米沢-福島区間は無料区間だが、味気がなくて眠くなること必至なので、並走するR13で福島を目指す。
深夜のバイパス国道の雰囲気は何者にも代えがたいものがあるが、こういうドライブをしたのは久々な気もした。

R4に乗って福島市街を抜け、AM1時過ぎに道の駅 安達で本日は終了。

車中泊はZ33でもボクスターでも実現出来なかったツーリングスタイルの一つであり、昨今の連休のように全く宿が取れない日にまさにピッタリ。
立派な温泉宿に泊まって美味しいものを食べて快適に寝るのは当然最高なのだが、朝から夜までひたすら走り続けて車で寝るというのもまた楽しいものだ。
結局のところ、何にも縛られず、気の向くままに車を走らせるのが何よりも好きなのだろう。

(続く)

  • X