北海道グランド・ツーリング 2019 2日目
北海道グランド・ツーリング、2日目。
降り立った小樽は雨が降っていた。
でもきっと晴れるはず。
そう信じて、オロロンラインを北上することにした。
石狩郊外の駐車帯。
名前も知らずによく立ち寄ってしまう人は多いと思うけど、ここは「望来(もうらい)駐車帯」という。
厚田区望来の町を見下ろす駐車帯だ。
その後も淡々と北上を続けていると、遠くに晴れ間が見えてきた。
いいね、いい感じ。
道の駅 おびら鰊番屋に着いた頃には、爽やかな青空が姿を見せていた。
こういう瞬間ってたまらない。
「ただ晴れてきただけでしょ?」って言われたらそうなんだけど、体感した人しか得られない自身の感情の変化や風景の移ろいがあるのだ。
それが物語となって、自分の忘れ難い記憶として刻まれていく。
写真なんて、旅という映画のワンシーンに過ぎない。
でも一度観た映画なら、ワンシーンを見ればなんとなくその映画を思い出すことが出来る。
自分にとって写真とは、そういうものなのだ。
雨上がりの涼しい風が吹き、波の音が清々しい気持ちにさせてくれた。
これから出逢える景色に期待が膨らむ。
事前に得ていた予報通り、北に行けば行くほど晴れていた。
天塩の街を過ぎ、海沿いの農道へ。
ここまで来ると、利尻島が見えてくる。
少し雲はかかっているけれど、ここまで素晴らしい天気に来られたのは初めてだった。
天塩の街を過ぎれば、いよいよ道道106号線だ。
サロベツ原野パーキング。
オトンルイ風力発電所は道道106号線の旅の始まりを告げる。
別に風力発電が並んでる風景なんて他にもあるだろうが、綺麗に一列に整列し翼を回転させている姿が、僕にはまるで、ここに来られたことを祝福・歓迎してくれているように見れるのだ。(病気?)
車を停めて、エンジンを停止。
心地よい風が吹き抜け、しばらく景色を眺めていた。
そして夕来を訪れる。
ここは道道106号線の中でも、最も利尻島に近づく場所。
とは言っても、小さな白い祠があるだけ・・・
でも、それで良いんです。
ここの美しさは、その地名が物語っている。
その後はバイクの集団に詰まったので、以前も訪れた「抜海駅」へ。
丁度列車を待っている方がおり、なんとタイミングよく列車が来た。
もちろん降りる人はゼロ。でも、この駅を利用するってどんな目的なんだろう?
ノシャップ岬へ。
お腹が空いてきたこともあり、今回は「みなとや」で昼食とすることにした。
美味しい海鮮丼を戴いた。
食後は「あきかわ屋」でソフトクリーム。ここのは安くて美味しい。
ところであきかわ屋の2階にかつてあったレストラン「シピリカ」だけど、営業開始予定は未定みたい。
「机や椅子もそのまま残ってて勿体ないんだけどね〜」って店員さんが言っていた。
いつの日かの再開を願い、宗谷岬へと向かう。
宗谷岬には着いたものの、こんな状態^^;;
ま、休日だから仕方ない。もちろん、すぐに退散した。
裏の急坂を駆け上がり、宗谷岬公園。
個人的には人だからけの宗谷岬の碑よりも、こっちの高台の方が好きだ。
今日はサハリンまでよく見えた。
その後は白い貝殻の道を走り、最果ての分岐点へ。
今日の宗谷丘陵は天気に恵まれ、ただひたすらに感動を連れてきた・・・
その後は宗谷丘陵のワインディングを走り、サロベツで夕暮れを迎えるため道道106号線へと戻る。
宗谷岬を離れ、R238からは利尻島が圧倒的な存在感を見せていた。
さて、今日はどんな美しい夕暮れを見せてくれるのだろう・・・
お気に入りの場所で日没を待つ。
最北の地が魅せる天体ショーの始まりだ。
利尻島の山麓に、燃えるような太陽が沈んでゆく・・・
次第に眩しかった太陽は橙色に染まり、”利尻富士”とも呼ばれる利尻島のシルエットをより一層鮮明に映し出す・・・
さあ、いよいよ日没だ。
今日一日見ることの出来た爽やかな青空は、美しいグラデーションを描きながらなんとも言えない色彩に染まる。
目の前に広がる光景にただただ圧倒され、言葉を失い、ひたすらに見惚れていた。
なんたって自然は素晴らしいのだろう・・・
刻一刻と変わる風景。
二度と同じ風景は無い。
その一瞬一瞬の色彩を、記憶の奥深くに五感で刻んでゆく。
北海道の大自然は、いつだって否定せずに受け入れてくれる。
ひたすらに続く地球の歴史の中で、ごく一瞬とも言える短い瞬間。
その美しい一瞬が自分の心に刻まれ、永遠の風景となる。
出会えたことに感謝しよう・・・
さて、明日はどうしようか・・・
3日目へ続く。