北海道定点観測ツーリング 3日目

稚内の朝。

今年はいつものホテルが空いておらず、稚内の宿はサフィールホテル稚内に宿泊した。
大浴場が無いのは欠点だが、もともとANA系列のホテルだけあって施設はきれいで、何より駅や北防波堤ドームに近いのが嬉しい。
多分稚内の中では1番リゾートちっくなホテルだと思う。

日本最北の駅、稚内駅。

何度も近くは通っているものの、中に入ったことすらなかったので、良い機会だと思い軽く見学。

最南端の駅は指宿枕崎線の「西大山駅」
西大山駅は一度訪れている。
でも、両方とも鉄道で訪れたわけじゃないから、ノーカンだね。鉄道の駅は、車でなく鉄道で訪れないと…

続いて「北防波堤ドーム」まで歩いてみる。

北埠頭が旧樺太航路の発着場として使われていたとき、ここに通じる道路や鉄道へ波の飛沫がかかるのを防ぐ目的で、1931年から1936年にかけて建設された防波堤だそうだ。
ローマ風の建築が珍しく、北海道遺産とやらに指定されている。

以前は車で来たこともあったが、久々の訪問。

さて、走り始める。

とりあえずいつも通り、R238を気持ちよく流し、d889で宗谷岬公園を目指す。

日本最北端、「宗谷岬」

空は晴れ渡り、その気候も相まって秋のはじまりを感じさせていた。

秋らしく空気も澄み渡り、遠く先にはサハリンがはっきりと見えていた。

宗谷岬はきっと人がいっぱいだろうと遠目から眺めるだけにしているが、今日はそこまで人出は多くなかった。
これくらいなら行っても良かったかもね。

先日の九州ツーリングでは日本4極で最も地味な最西端に訪れたが、まるっきり人もいなかったっけ…
宗谷岬が1番人が多いよね、多分。

そういえば私がここを訪れた約1ヶ月後、上の写真にも写っているとある建物から大麻が発見されたらしい。。。
おそらく後にも先にも、”日本最北の大麻”だと思う。
どの店かは調べれば簡単に出てくるけど、ここでは言及を避けておきます…

宗谷岬公園

宗谷岬公園からは再びd889、d1077と走り、猿払村を目指す。

そして立ち寄るは当然というべきか「道の駅 さるふつ公園」
日本一の漁獲量を誇る猿払村で食べるホタテは超絶品なのだ。外すわけにはいかない。

猿払産のほたてがビッシリと載った「ほたて丼(1,430円)」

繊維がしっかりとしており歯ごたえもあり、強い風味も感じる。
ここではほたての貝柱が”丼の主役”として完全に成り立つのだ。

今年も食べることができて、良かった・・・
ここを超えるほたてには出会ったことが無いし、今後も出会うことは無いと思う。

ほたて丼

続いてはエサヌカ線。

エサヌカ線

特段好きな道というわけでもないのだが、国道を走るよりは景色が良いはずだし、やはりこの一直線な道は本州の人が想像する”北海道”のイメージにピタリと嵌るのだろう。
ライダーだけでなく、普通に観光客も多い道になった。

ところで、ここに来るときは毎回なんとなく天気が悪いのだが、今年は珍しく晴れている。

その後は各自給油を済ませ、クッチャロ湖へ集合。

北海道内では2番目となるラウンドアバウト

そういえば、浜頓別に北海道内では2番目となるラウンドアバウト交差点が2020年10月に完成した。
昨年7月に訪れたときは工事して通行止めだったので、ついに通ることが出来た。

もともと欧州ではラウンドアバウトは多いが、北海道の交通量が少なめな道路事情とはかなり相性が良いと思うし、信号が無い交差点などもラウンドアバウトにしたほうが安全にも繋がると思う。
一時停止看板を置いても見落としてしまう車両がいる限り、強制的にある程度の減速が必要になるラウンドアバウトは、少なくとも死亡事故に繋がるほどの被害は抑えられるのではないかと思う。

そんなことを考えながら、クッチャロ湖に到着。

クッチャロ湖は毎年来る度に寄る、大好きな場所の一つ。

晴れ渡る青空が湖面に反射し、見事な美しさだった。

いつかはここで夕日を見たいと思っているのだが、いつになったら叶うのだろうか。

ところで上の写真を撮って、何かが物足りない・・・

そしてふと横を見ると、そう、「クッチャロ湖」と書かれた木柱が引っこ抜かれていた。。。
去年の写真ではしっかり残っている。まだ残っているので、補修されて復活することを願っているが果たして・・・

さて、クッチャロ湖からはいつも通り道道の旅。

浜頓別から中頓別へはR275を走り、中頓別からはd120をひたすら激走。

この区間は交通量も少なく、ドライビングルートとしても最高なのはもちろんのこと、時折現れる街並み、点在する牧場、山中を駆け抜けるワインディングと、景色の移り変わりも本当に気持ち良い。
ワインディング区間では雑念をすべて取り払って、ひたすら車との対話に集中し、時おり現れるストレートや街ではクールダウンし、目前に広がる自然美に癒やされる。
これほどまでに五感を刺激する瞬間があるだろうか?

トロッコ王国美深からはd49を走り、再びオホーツク海沿いの雄武町に出る。

ここまで距離にすれば結構な距離なのだが、感覚としては一瞬なのだ。

ここからはオホーツク国道であるR238を淡々と南下する。この緩急もまた、魅力なのだ。

そしてこちらも何故かいつも立ち寄る「道の駅 オホーツク紋別」
いや、道の駅というより、立ち寄るのは「カニの爪」のオブジェなのだが。。。

さて、時間も無いので早々に旅を続ける。

というのも、昨夜、稚内の宿で今日の宿をどこに取るか悩みに悩んだ。
例年通りであれば網走に宿を取り、朝から能取岬を訪れるのが定石だ。しかし、今回の旅で訪れたい場所に対してどう計算しても滞在日数が足りず、取捨選択を迫られていた。
こんなの、全くもっておかしな話なのだが、泣く泣く網走泊を諦め、今宵の宿は川湯温泉にしたのだ。

西陽が眩しくなりはじめた頃、R239をサロマ湖に向かって走る。

R238から毎回視界に入るこの「ファミリー愛ランドYOU」は、昭和感満載でとっても気になっているのだが、毎回時間が無くて寄れず仕舞い。。。
道の駅にもなっているので、ぜひとも無くなる前に寄りたいのだが・・・

毎度のことながら、北海道にツーリングで訪れると走りに夢中になってしまい、ついつい見落としてしまう風景がたくさんある。
もちろんドライビングを楽しむために来ているので意図的ではあるものの、北海道に限ってはもっとのんびりとめぐりたい場所がたくさんある。
私はクルマ好きである前にドライビングが好きで、ドライビング好きである前に北海道が好きなのだろう。

日没を迎える頃、我々は能取湖卯原内のサンゴ草群落地に到着した。

ここもなんだかんだ毎年訪れている場所だ。
昨年7月に来たときは緑の絨毯が広がっていたが、今年はいつも通り9月。つまり、真っ赤な絨毯が広がっていた。

サンゴ草と言いつつも正式名称は「アッケシソウ」というのだが、道東に厚岸(あっけし)という場所がある。
何か関係があるのか?と思いきや、日本では明治24年に厚岸湖(あっけしこ)のカキ島で北海道大学の宮部金吾が発見し、アッケシソウと命名したとのことだ。
何年も来ていて今更名前の由来を知ったわけだが、私のような凡才は何度も来ないとなかなかそういう知識を得ることが出来ないので、やはり何度も来ようと思う。

それにしても、夕暮れ時に西陽に照らされたアッケシソウはより一層紅に輝き、印象的な風景を見せてくれた。

それに、数年前よりも格段に、順調に数を増やしているように見える。

さて、川湯温泉に向かおう・・・

網走湖の東側を走り、美幌町へ向かう。

なんたってこの時間は美しいのだろうか・・・

遠目に見える網走湖、輝く対向車のヘッドライト、美しい色彩の空に浮かぶ山々の稜線・・・

その美しい瞬間にひたすら目を奪われ、感傷的になっていた。

美幌町のセイコーマートで今宵の夕食を仕入れ、野生動物が活動を始める暗闇の中、美幌峠を越えて川湯温泉の宿へと向かった。

4日目へ続く。

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