9月 242017
 

最近の我が家では、ここ半年くらいずっと次期ファミリーカー選びに悩んでいます。
車選びのベンチマークとして、ポルシェ マカンSを1日お借りして、500kmほど走らせてきましたので、その際の試乗記をお届けします。

〜〜〜

借りたのはマカンの中では中間に位置する”マカンS”というグレード。
オプション装備は、いわゆる”レンタカー仕様”でほとんど装着されておらず、PDLSやシートヒーター、プライバシーガラスとかその程度。PASMも付いておらず、いわゆる普通のバネサス。
とは言え、マカンでは標準で電動テールゲートや電動格納ミラーなど、その辺の利便性装備は標準。まあ、”素のマカンS”でどこまで走るのかを試すには良い機会でしょう。

まずは前日の夜に借り出し、一旦自宅の車庫まで戻る。
この時点で、速度を出さずともひしひしと伝わるのはなんとも言えぬ”良いクルマ感”。
ドライビングポジションはピタリと決まり、アクセル・ブレーキ共に自然に操れる。(これはごく当たり前のことだが、この2週間前までレンタカーで3代目プリウスを借りており、これがまあ酷い出来だったのだ・・・)ただし、右ハンドルの関係か、フットレストがやや奥にあるのでもう少し嵩増ししたいところだ。
ポルシェ製3.0L V6ツインターボエンジンも、回さなければその振る舞いは至って普通。まあこれを普通と言ってしまうのはあまりに贅沢な話だが、流れに乗って都内を走る程度なら、2,000rpm以下で十分。その際はブースト圧もかかっていないのだが、その領域から妙なトルク感を感じる。
PDKもギクシャク感を一切感じさせること無く、トルコンATのようなスムーズさを持ち合わせている。
全幅1,925mmという日本の道路事情にはやや大きめに感じるサイズも、視界の広さと最小回転半径5.6mという小回り性能のお陰で困ることは少ないだろう。

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翌日。
朝5:00に起床し、出発。

まずは、関越自動車道を北に走る。
日本の法定速度+αの速度では、この手の車の安定性を評価するのは難しい。
全くブレない直進安定性を持っており、パワーステアリング・プラスは非装着だが、それでも進路を維持するのはラクだ。
マカンSに搭載される3.0L V6エンジンは340psを出力し、それがフルタイム4WDにて適切に4輪に分配される。100km/hまでの加速はいとも簡単にこなし、そこからの加速も全く不足はない。
むしろ100km/h程度の巡航だと、車から「退屈だ」と言われているようだった。それもそのはず、マカンSの最高速度はカタログ値で254km/hを記録する。

ただし、難点を上げるとすればロードノイズが少々大きい。
装着していたのは18インチのContinentalのSportContact5。やや溝が減っていたことも原因だと考えられるが、この辺はメルセデスなどとは明確に違うと感じた。
風切音については140km/h程度までなら気にならないレベルなので、ミシュランのPS4Sなどに変えれば静粛性はかなり改善すると思われる。

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次に関越を降り、ステージをワインディング・ロードへと移す。
半分予想通り、半分予想以上だったのは、マカンの本当に得意とするステージがワインディングにあるということだった。
“半分”というのは、ポルシェのバッヂが付いている以上コーナリング性能に気を遣っているのは予想がついた。しかし、”ここまで”とは正直予想していなかったのだ・・・

コーナーに向かってブレーキペダルに力を入れると、2t近い車重を受け止めるのに十分な6potのブレーキキャリパーが即座に強烈な減速Gを生み出す。ここのコントロール性、信頼性はさすがポルシェだと感じた。
そして右足の力を徐々に抜きつつ、ステアリングを切り込む。その瞬間、スッとノーズがクリッピングポイントに向かって、ほとんどロールを感じさせずに向きを変えるのです。
そして早い段階からのアクセルONで、4輪に適切に駆動力が伝わり、アンダーも見せずに怒涛のトラクションで驚異的なダッシュを見せる。
「これがポルシェのSUVなのね(笑)」
と、思わず笑みが溢れる。

街中や高速をクルージングしていたときはおとなしかったエンジンも、2,000rpmを越えてブーストがかかり始めると、レッドゾーンに向かって乾いたサウンドと共に一気に吹け上がる。
そこに、ターボラグなどというものはほとんど感じなかった。少なくとも、今回の試乗の範囲では。
レッドゾーンこそ高くないものの、高回転に向かって綺麗にドラマチックに回る”ストーリー”は非常に気持ち良い。
ベースグレードのマカンに搭載される2.0L 直列4気筒エンジンは新型Audi A5で体験済みだが、それもそれで素晴らしいエンジンだった。正直、ベースグレードのマカンでも不足はないだろう。でも、人間は欲のある生き物だ。ポルシェを買うなら、やはりポルシェ製のエンジンが欲しい。そう思ってしまうほど、3.0L V6は素晴らしい。そういう意味でも、マカンSを選ぶ価値はあると思った。
ただひとつ欲を言えば、オプションのスポーツエグゾーストは欲しい。ポルシェには近年良くある「スピーカーからエンジンサウンドを流すシステム」が無い故、車内だとサウンドは少し寂しい。

というわけで、素のマカンSでも走りに関しては大きな不満は出てこなかった。
それどころか、GT-Rを除けば、大抵の国産車は追い回せるほどの動力性能を持っている。(ドライバーの腕は別の話ね)

走りについてまとめると、
これに加えて、PASMやスポーツクロノ等の走り系オプションが装着されれば、もはや走りに文句無し。

さて、スポーツカーとして優れていることはわかったが、普通の車として使うにはどうだろう。

ポルシェは元々、911に代表されるように日常での扱いやすさも兼ね備えている。もちろんマカンも例に漏れず(というかマカンこそ)、デイリーユースには困る場面は少ないだろう。
車体の大きさからすると車内は決して「ゆったり」と広いわけではない。特に全幅が1,925mmもある割に、車内はその恩恵を受けるには至らない。とは言え、「窮屈」と言うほどではないので、「スポーツカーを彷彿とさせる適度なタイト感」とポジティブに表現しようと思う。もちろん、大人4人が座るには何も問題は無い。
荷室スペースは、カイエンと比べるとルーフが寝ていることにより、高さ方向はやや制限されるものの、問題になるほど小さくはない。
そして、このクラスでも決して無視出来ない「燃費」だが、今回の試乗約500km(一般道、高速、ワインディング)の総合燃費は9.8km/Lと上々な結果だった。

実用性も兼ね備えており、走行性能も極めて高い。
では、欠点は無いのだろうか。

欠点をしいて挙げるとすれば、「価格」だろう。
今回試乗したマカンの車両価格は841万円。ライバルと比較して決して高いとは感じないが、ここからさらに高額なオプションが加わる。
このご時世、軽自動車でも標準装備の「スマートキー」は12万8千円のオプションだ。
さらにメルセデスでは標準装備の運転支援系装備(ACC、レーンキーピング等)は全て装備すれば40万円ほどになるが、機能ではメルセデスに劣る。LEDヘッドライトは約20万円。メモリー機能付きのパワーシートは約25万円だし、サンルーフに至っては30万円のオプションだ。
これに加えて、走り系オプションである電子制御式サスペンションのPASMは20万円、車速感応式のパワーステアリングは約5万円。エアサスのPASMを付けようものなら48万円(!)となる。
つまり、装備レベルをメルセデスに揃え、さらに走り系オプションを装着しようものならオプション価格は軽く200万円を超え、最終的には1,100万円オーバーの価格となる。

ならば、マカンSはライバル車と比較するとどうだろうか。

この車がSUVではなく、スポーツカーであることを考えるとライバル車は「ジャガー F-PACE」「メルセデス-AMG C43/E43」「Audi S4/S5」「BMW 340i/540i」「レンジローバー・イヴォーク/レンジローバー・ヴェラール」「ジャガー XE S」「マセラティ ギブリ/レヴァンテ」等だろうか。
雪国在住であったり、スキーに行く等でSUVである必要があれば候補は限られ、ドイツ御三家のSUVに加えてF-PACEやレンジローバー、マセラティ レヴァンテ辺りで悩むことになるだろう。
しかし、純粋に家族が乗れるスポーツカーが欲しいのであれば、今や3.0L 6気筒クラスは魅力的な選択肢にあふれている。
メルセデスは装備が充実しており価格はマカンよりもリーズナブル、アウディ S5はマカンよりもスタイリッシュだし、ジャガー XE Sの評価も高い。

ダウンサイジングが進み、4気筒エンジンの完成度はますます向上している。しかし一方で、味わい深い6気筒エンジンは今や1,000万円程度の予算がないと手が届かない時代になった。
とは言え、このクラスは一昔前のハイパフォーマンスカーを凌ぐパフォーマンスと快適性を兼ね備えており、各社しのぎを削っているセグメントだ。
この中から1台を選べと言われたら、嬉しい悩みを長い間抱えることになるだろう。

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 Posted by at 22:34
3月 162016
 

新型シビック TYPE Rが発売された今、なぜFD2の試乗記を書くのか深い謎に包まれていますが、新型ロードスターの試乗記を書いたので、それに伴って以前(2014年9月)に乗った時のメモ書きを元に、シビック TYPE Rの試乗記も書いてみようか、と思った次第です(汗)

〜〜〜

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友人3人を乗せ、街中をのんびりとクルージングしながら秩父へ到着。
乗り出してすぐにわかることは、「車高調でも組んであるのか?」と思うほどハードな乗り心地。
路面のわずかな凹凸で跳ねる跳ねる・・・(汗)
おまけに最小回転半径5.9mと、レクサス LS(5.7m)以上に小回りが効かないので、ボディサイズからは想像もつかないほど取り回しに困る(笑)
BMW M3も5.9mですが、慣れない私にはコンビニから出るのも一苦労でしたよ(汗)

R299に入り、少しペースアップ。と言っても、眠りについている同乗者もいるのでほどほどに。
「うおっ!こんな曲がるのか!」
ハンドルを切ると、まるでジェットコースターのごとくノーズがコーナーへ即座に突入する。
そこでアクセルオンをくれて上げれば、言葉通り「オン・ザ・レール」で引っ張られて脱出する。
FFは嫌いなのだが、TYPE Rのノーズの軽さを体験してしまうとFFにも魅力を感じてしまうのが正直な感想。
このコーナリング性能は、今まで乗ったクルマの中ではダントツで、欧州ハイパフォーマンスカーにも匹敵するのではないだろうか。

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私はクーペ・スタイルが好きだが、FD2のルックスは嫌いではない。
というのも、歴代シビック TYPE R(NSX-Rは除く)のハッチバックスタイルは苦手だし、DC5はリアフェンダーの処理があまり好みではないので、このFD2は唯一のセダンボディということもあり一番好きだ。
ボンネットから伸びやかに続くAピラーのラインも美しい。
うーむ、セダンも悪くないねぇ〜(ニヤり)

ただ一つ気になったのは、FD2に限ったことでは無いのだが、その美しいAピラーの弊害か、途中から縦に伸びる支柱(?)がコーナーで視界を邪魔し、特に右コーナーで対向車を認識するのに時間がかかる。
これはスポーツカーとして一番乗りにくさを感じた部分だった。

フロントにはブレンボ(住友製)の4ポット・キャリパーが装着される。
特段効きが良いとは感じないが、ペダルタッチはホンダらしい、カッチリとしたフィーリングで好み。

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インテリアは、正直言ってあと一歩。
DC5まではRECAROのセミバケットシートが標準装備だったのが、FD2からはホンダのTYPE R用シートとなった。
座面位置も少々高く、リクライニングもダイヤル式からレバー式に変更となった。
これは市販車として正しい進化だと思うし、ホールド性もなかなか良い。
しかしながら、元がオジサン’s セダンなのだから仕方が無いが、中途半端なスポーティさが気になる。
ただ、上部に設置されたデジタル・スピードメーターと、シフトアップ・インジケーターはとても見やすく、サーキットユース前提で設計されたことがよくわかる。

何よりも、通常5人乗りのシビックを4人乗りに定員変更されている点は一番理解に苦しむ。
後部座席に人を乗せてサーキットを走ることなんて無いんだし、ホールド性なんて必要ない。
それよりも、5人家族のお父さんの為にも5人乗りを維持するべきではないだろうか。
これは最新型のFK2も4人なので、本当に理解出来ない。Lexus IS-Fも同様。

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只者ではないと感じさせる8,400rpmからのレッドゾーンが刻まれたせっかくのタコメーターも、質感はイマイチでちょっとオモチャっぽい。

さて、本題のエンジンの話。

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型式 : K20A
種別 : 水冷直列4気筒DOHC自然吸気エンジン
排気量 : 1,998cc
ボア×ストローク : 86.0mm×86.0mm(スクエア・エンジン)
圧縮比 : 11.7 (DC5:11.5)
最高出力 : 225PS/8,000rpm (DC5 : 220PS/8,000rpm)
最大トルク : 215N·m/6,100rpm (DC5 : 206N·m/7,000rpm)

i-VTECで武装したK20Aは、リッター当たり112.5PSを実現する。
シフトダウンし、ひとたびオルガン式のアクセルペダルを踏み込めば、レーシングカーのような甲高いサウンドと共にあっという間にレッドゾーン。
このエンジン、モーターの如くどこまでも回ってしまいそうです(汗)
一方で、最大トルクの発生回転数がDC5の7,000rpmから6,100rpmへと下がったことで、街中での扱いやすさも兼ね備えている点は実に素晴らしい。

世界最高水準の自然吸気エンジンを、ホンダ・チューニングの6MTで操る。
トランスミッションはDC5比で1〜3速はローレシオ化、4〜6速はハイレシオ化されている。
完全にサーキットに焦点を合わせたギア比であり、街中を転がしているとシフトアップの忙しいこと(笑)
おまけに高速道路100km/h巡航ではタコメーターは3,000rpmを指しており、なかなかやかましいのでロングドライブはハードな足回り含め少し疲れそう。
シフトストロークは長く、スコッ入る感じ。個人的にはもう少し短く、カチッと決まる方がスポーティだし好み。

とにかく、約400km乗ってみて感じたことは、このクルマの最大の魅力は世界最高のパフォーマンスと扱いやすさを兼ね備えた直列4気筒自然吸気エンジン、そして圧倒的な旋回性能だと感じた。
難点もいくつか挙げたが、このクルマの魅力にかかればそれらの欠点は大海におけるさざ波のようなもの。
ひとたび走り出せば、そんなことはどうでも良くなってしまうほど人を虜にするパフォーマンスを持っているのだ。
自然吸気エンジン+FFという組み合わせでは、世界最高峰ではないだろうか?
しかもそれが300万円足らずで買えてしまうのだから、バーゲンプライスも良いとこだ(笑)

残念なのは、今後このようなクルマが生まれる兆しが見えないという点だ。
現行型シビック TYPE Rもターボ化され、世界中の自動車メーカーがダウンサイジングターボの流れになっている。
そういう中では、高回転型自然吸気エンジンは数年後には貴重な存在となっていることは間違いないだろうし、FD2は日本のホンダのエンジニアが生み出したTYPE Rシリーズの実質ファイナル・エディションだ。
中古市場にも程度の良いタマがたくさんあり値段もこなれてきた今、一度乗ってみるのも悪くはないのではないだろうか。

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〜〜〜

というわけで、ワインディング・ロードをメインに高速道路・市街地と約400km走った上での試乗記でした。

試乗記でもべた褒めしている通り、とても魅力的なクルマに違いはありませんが、残念ながら私の購入候補には入りません。
やはり後輪駆動の路面を蹴っ飛ばしてコーナーを抜ける感覚が好きというのもありますが、サーキットはほとんど走らず、ロングツーリングがメインの使い方では何より勿体無いですし、少々扱いづらさを感じる場面もあります・・・
それに、シャイなので大きなウイングの付いたクルマは恥ずかしくて乗れないんですよ(笑)

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 Posted by at 23:42
11月 052015
 

関東マツダのキャンペーンで、お好きな車を1日貸してくれるというキャンペーンがある。

某日、埼玉のとある店舗に空きを見つけ、予約をしたのだった・・・

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素晴らしい秋晴れの日に、電車を乗り継いで埼玉のマツダディーラーに佇む真っ赤なロードスターの元へ向かった。
簡単な手続きを済まし、ボタン式のエンジンスタートスイッチを押し、ロードスターのエンジンをかけると「ブォオン!」という、かなり演出の効いたエキゾースト・サウンドで1.5Lへとダウンサイジングされたエンジンが目覚める。
幌の開け方だけ教えてもらい、屋根を開け放ち、クラッチを踏み、ギアを1速へ。
一路秩父へと向かう・・・

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秋風を浴びながら、小休止をしているのは正丸峠。

1.5Lの直列4気筒自然吸気エンジンから発せられるパワーは僅か131ps。Z33の半分以下だが、これが軽量なボディに絶妙にマッチしていて、最高のドライビング・エクスペリエンスを提供してくれる。

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峠道に佇む姿はまさにスポーツカー。

見事な曲線を用いて描かれた美しいボディラインは、近年の国産車の中では群を抜いていると感じる。
やはり、オープンカーは屋根を開けた姿が最も美しいのだ。

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お昼御飯を道の駅ちちぶで頂く。

10:00〜18:00という限られた時間の中でとにかくロードスターという車を知りたいが為に、そそくさと山菜うどんを食べて再出発を決める。

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新秩父橋を渡り、秩父ミューズパークを経由し、R299→r71土坂峠へとルートを辿る。

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r71土坂峠はかなりタイトなワインディング・ロード。

しかしそれでも、ロードスターは軽さを武器にヒラリ・ヒラリと木の葉のようにコーナーを抜けていく。
パワーが無いが故に、シフト操作をサボってはいけない。しっかりとブレーキを踏み、2速に落とし、徐々にアクセルを開けていく。この操作が綺麗に決まった瞬間が最高に楽しいのだ。これこそがロードスターの真髄なのだと感じさせてくれる瞬間だ。

そして、後ろからかなりのハイペースで迫るバイクに気付く。
左ウインカーを出し、道を譲る。さて、このロードスターでどこまで付いていけるか。

2速と3速を頻繁に使いながら、体を傾けてコーナーを抜けていくバイクの追走を始めると、195/50/R16のタイヤの限界はそう高くなく、すぐに鳴き始め、僅かなテールスライドと共にコーナーを立ち上がる。

「これは試乗車だ、やめよう(笑)」我に返り、トンネルを抜けてロードスターを停める。

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笑いながらロードスターを降り、シャッターを切る。
日本の1.5車線幅の峠道では、このくらいのボディサイズはとてもマッチする。

ロードスターは命をかけて果敢にコーナーを攻めて、タイムを削るような車ではない。
オープンスタイルに小気味よいエンジン音を響かせながら、天気の良い休日のワインディング・ロードを楽しむ車だ。
「そんなに急がず、景色や道を楽しもうじゃないか。」
そう諭されるようだ。

ここからはR299志賀坂峠で秩父へと戻る。

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これまたタイトな、”秩父らしい”と言えるワインディング・ロードだ。

ところで、一部で評判の悪い電動パワー・ステアリング。
確かに意識してステアリングを切ると、かなり情報が希薄だ。
路面状況やGの変化に関わらず、ステアリングの重さが常に一定で不自然さすら感じる。
だがこれは個人的には小さな欠点だ。この欠点に目を瞑ることで得られる利点の方が大きいから、電動パワステを採用したのだろう。
逆に、直進安定性は電動パワステのお陰かどうかわからないが、とても良い。
ましてや、この軽いボディ、短いホイールベースから予想していたよりもずっと良く、高速道路での長距離移動も全く苦ではないだろう。

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こうして帰路に就いた頃には、すっかりロードスターの虜になっていた・・・

あまりに走り過ぎ&事故渋滞にハマり、18:00を過ぎてしまったが、何一つ嫌な顔をせず迎えてくれた。
強引なセールスも一切なし。なるほど、これがマツダ流の販売戦略か。強引なセールスをされるより、楽しい思い出を作って帰った方が「もう一度来よう!」となる。少なくとも自分は。
少々のクルマ談義に花を咲かせ、アンケートと写真を撮影し、お礼を言ってディーラーを後にした。

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さて、改めて新型ロードスターという車を見てみましょう。

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今回の新型ロードスターの最大の魅力は「原点回帰」と言えるでしょう。

初代NA型ロードスターは、イギリスで古くから流行っていた小型オープンスポーツカーを日本流にアレンジしたものだったが、壊れない・良く走る・格好良いと3拍子揃ったスポーツカーは世界中で大ヒットした。
それに続いたNB・NC型ロードスターも素晴らしい出来だったが、近年の重量化&高出力化の時代の流れに沿ったモデルとなった。
それに「待った!」をかけたのがこのND型ロードスターだ。
マツダのその判断はまさに英断としか言いようがない。スポーツカーにおいて、パワーダウンすると「退化」と捉えられることもしばしばあり、それを歴史ある名車ロードスターで行なうのはなかなか勇気のいる決断だ。

ダウンサイジングされた1.5L・直列4気筒自然吸気エンジンはスペック以上にパワーを感じさせる。
「爆発的な加速力」には到底及ばないものの、僅か1,010kgのボディを走らせるには丁度良い。少し演出過多のエキゾースト・サウンドも、ノーマルマフラーで乗りたい自分は気に入った。

そして、それに組み合わされる6MTのシフトフィールはホンダのように、軽くスコスコと決まる。まあ、個人的にシフトフィールなんてどうでも良くて、MTの最大の魅力は流体クラッチを介さないことによるアクセルフィールにあるのだが・・・

それに何より、「フロント・ミッドシップエンジン+後輪駆動」というレイアウトはやはり最高のバランスだと改めて気付かされる。
全てのパーツ、そしてドライバーが正しい位置に配置されており、完璧な重量配分が織りなすコーナリングはまさに「気持ち良い〜」ってやつだ。
これこそがマツダの言いたい「人馬一体」なのだろうか。

それから、いくらスポーツカーでも無視出来ない「燃費」だが、今回の秩父ツーリングで220kmほど走り、総合燃費は16.5km/L。
カタログ燃費には及ばなかったものの、秩父への行き帰り以外はほとんどワインディング・ロードを走っていたことを考えればかなり優秀な燃費だ。あくまで予想だが、高速道路での燃費は20km/L位いくのではないだろうか。

まとめると、走行性能はサーキットでタイムを出すのが目的でなければ申し分無く、デザインも素晴らしい。おまけに燃費も良くて経済的。
ルーフを開け、陽の光と風を感じながら軽快に駆け抜ける爽快感はロードスターならではだ。
そして何より、新車を無料で1日中貸してくれるという超太っ腹なキャンペーンを企画してくれた関東マツダには感謝したい。

皆様もご体験あれ!

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 Posted by at 21:18