8月 202016
 

日産から驚きのエンジンが発表されました。

日産、燃費を改善する世界初の可変圧縮比エンジン「VC-T」量産化

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日産が新たに発表したVC-T(Variable Compression – Turbocharged)エンジンは、名前の通り「圧縮比を14:1から8:1まで連続的に変えられる」エンジンです。
もう少しわかりやすく言えば、燃費の良い高効率の運転から出力重視の運転まで幅広く適応出来るというもの。

少しでも車に詳しい方であれば「圧縮比を変える」と聞いて「どう実現するんだろうか?」といろいろな案が頭を巡ると思いますが、このエンジンは上死点の位置、すなわち燃焼室の体積を変えることで圧縮比を変えているそうです。ということは、ピストンのストローク量も変わるわけです。
その具体的なリンク機構の図がリンク先に掲載されています。
リンク先の図を見る限り、クランクシャフトの回転軸にマルチリンクなる部品が付いており、マルチリンクの角度を変えることでコネクティングロッドの長さを調節し、ピストンの上死点位置を可変しているようです。
この機構はホンダのEXLinkに似ているので、ホンダのサイト(HONDA | Technology | EXLink)を参照すると動きが理解出来ると思います。
ホンダのEXLinkは圧縮比<膨張比のアトキンソンサイクルを実現しているのに対して、日産のVC-Tエンジンはアトキンソンサイクルに似ていますがもう一捻りある感じでしょうか。

それにしても、日産がこのエンジンを量産化するのには20年という歳月が掛かったそうですが、想像を絶する苦労があったに違いありません。強度から始まり、耐久性、過給器の制御、ノッキング対策、インジェクター制御、部品配置・・・
量産車に載せるということは、最低でも10万kmの耐久性は保証されなければなりません。
そしてそのエンジンが、いよいよ量産車に載る時が来るのだから驚きの一言です。

世界初の可変圧縮比エンジンが量産車に搭載されることは、内燃機関の未来において非常に重要な意味があるように思います。
自動運転などツマラナイ話題が多かったところで、とても興味深い話題でした。

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